主な内容
『中央銀行の危険な賭け~異次元緩和と日本の行方~』
河村小百合著(株式会社日本総合研究所調査部主席研究員)
リスクを明らかにせぬまま突き進んだ異次元緩和。出口戦略はなく、今や日銀は打つ手を失いつつある。
本当に大丈夫なのか?
日・米・英・欧の中央銀行のデータをもとに丹念にやさしく比較解説。圧倒的な説得力をもって、日銀の
政策リスクが浮かび上がる!
「この国の財政事情は世界最悪で、中央銀行は古今東西、他におよそ例がないほどに過剰なリスクテイクを
している。この現実に対し、魔法のような解決策など存在しない。万が一の事態を招来しないためには、
何よりもまず、財政事情が極端に悪いのに、金利を力ずくで抑えつけたり、経済全体の潜在成長力が弱いのに、株価を力ずくで押し上げるような政策運営を改めるべきだろう。
そうした無理筋の政策運営のコストは、今後、間違いなく私たち国民に課せられる重い負担として
はね返ってくることになる。
私たちは自らの経済や財政の実力に関する市場の評価に謙虚に耳を傾ける姿勢を取り戻すべきで、
それこそが安定的な経済運営を長続きさせられることにつながるはずだ。」(本文より)
〈目次〉
第1章 はじめに~金融危機で変貌を余儀なくされた金融政策
第2章 米国の中央銀行(Fed)の金融政策
1 Fedの仕組みと金融危機に直面するまでの動き
2 大規模な資産買い入れに踏み切ったFed
3 Fedの正常化への取り組み
第3章 イングランド銀行(BOE)の金融政策
1 金融危機と量的緩和
2 量的緩和の財務コストをめぐる政府と中央銀行の対応
3 ブレグジットが物語る自国通貨安の怖さ
第4章 欧州中央銀行(ECB)の金融政策
1 いかにして「物価の安定」を達成するか
2 欧州債務危機~財政破綻の瀬戸際での金融政策運営
3 デフレ危機との闘い~マイナス金利と資産買い入れ
第5章 日本の経済と財政の行方
1 日銀の金融政策を検証する
2 通貨の信認とは
第6章 おわりに~コロナ危機後の財政・金融政策運営