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世界開発報告2017 ガバナンスと法

定価: 5,500円(5,000円+税)
著者名:世界銀行 編著田村勝省 訳 出版社:一灯舎

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ISBN 978-4-907600-53-2
発行日 2018年01月11日
判型 B5
頁数 268

主な内容

注意深く設計された思慮深い政策が採択されない,あるいは実施されないという状況があまりにも多くみられる.これはなぜなのか? 採択,あるいは実施された場合でも,安全保障や成長,公平などの開発成果を生まないことが多いのははなぜか? また,一部の問題のある政策が持続するのはなぜか? 本年度の報告書は,開発の核心にあるこのような根本的な問題に取り組んでいる.

政策の策定や政策の実施は何も真空中でなされるわけではない.むしろそれは複雑な政治的および社会的な環境のなかでなされる.そこでは力が異なる個人やグループが対立する利害を追求しており,それに伴ってルールは変化する.人々はその枠内で相互作用し合う.本報告書ではこのような相互作用のプロセスのことをガバナンス,このような相互作用が行われるスペースのことを政策アリーナと呼ぶ.行為主体が社会的に望ましい目標を達成するために,協調および連携する能力とその意欲が有効性にとっては重要である.しかし,だれが交渉者か,だれが排除されるのか,どのような障壁が政策アリーナへの参入を阻害するかなどが,政策の選定と実施を,したがってその開発成果に対するインパクトを決定する.排除,占有,および恩顧主義は,安全保障,成長,そして公平の達成に向けた取り組みが失敗につながる力の非対称性の表れである.

社会における力の分配はある程度は歴史によって決定されている.にもかかわらず,前向きな変化の余地がある.本レポートは,統治は力の非対称性を緩和ないし克服さえして,安全保障,成長,および公平の持続可能な改善を達成するような,より有効な政策介入をもたらしうることを示している.これが起こるのは,権力者のインセンティブを変化させ,彼らの選好を良い成果を支持する方向に修正させ,これまで排除されていた参加者の利害を考慮に入れる時である.このような変化は改革に向けた連合を強化するルールを支持する国際的な行為主体によるだけでなく,エリート層間での交渉や市民関与の増大を通じることによって実現することが可能である.

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